荒木飛呂彦の大ヒットシリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』第8部がいよいよ単行本で刊行開始される。舞台となるのは第4部の舞台であった「杜王町」。それは作者の故郷である宮城県仙台市へのオマージュであり、つまりこれは、東日本大震災に対するフィクションからの直接的な応答だ。描かれるのは崩壊した町並み、科学者やマスコミに対する疑心暗鬼、何か不気味なことが進行しているという漠然とした不安。それは私たちが震災後に経験し、今なお抱いている感情そのものだと言っていいだろう。その筆致と、そして今年5月という、震災のショックが醒めやらぬ時期から連載が開始されたことからも、作者の思い入れの強さが伺える。コミックを通して作家は何をできるのか、また読者は何を考えることができるのか、現在を考える上で外すことのできない一冊。(さやわか)
2011.12.19.update






